メルカリで注文を受けてジオラマを製作させていただくわけだが、今回の発注は、フィギュアを飾るためのものではなく、子供にフィギュア遊びさせるためのものでもなく、はたまたラジコンカーを走らせるためのものでもなく、これが何と、飼育する蛇の飼育ケージに設置するためのものだという。テラリウムである。言うまでもなく新境地である。ようし、いっちょうこましてやろうじゃないか。
爬虫類飼育と言えば、筆者も子供のころから途切れ途切れではあるが人生を通じてほぼずっと亀を飼っていて、一時期は巨大なケヅメリクガメやグリーンイグアナやウォータードラゴンにも手を広げたが、今はそれも落ち着いて、ヨツユビリクガメ四匹と、道で拾ったミドリガメ(アカミミガメ)一匹を飼育するだけという、いや、考えてみれば結構大所帯な気もするが、一時期の爬虫類屋敷状態を思えば、これは落ち着いた状態と言えるわけで、まあ、それはこの際どうでもいい。
しかし、そんな筆者も蛇は飼ったことがない。子供の頃に近所の草むらで捕まえたシマヘビを連れて帰ってしばらく愛でていたことがあるが、五十年近く昔のことであり、爬虫類ショップもネット通販もなく、エサの入手からして困難で、飼育とは言えないレベルで元の空き地にリリースしてしまった思い出があるだけだ。
発注者様が飼育しているのは蛇は蛇でも白蛇だそうな。おそらくはシマヘビかアオダイショウのアルビノということなのだろう。写真を拝見したがまだまだ可愛い子供という感じだ。白蛇だけに神々しく神社ジオラマで飾りたいとのことで、お気持ちはよくわかります。
鳥居と松は必須で洞穴はどうしようか迷い中とのこと。あと、何よりの難題は、掃除するので水洗いできるようにとのこと。えええ。マジすか。
いや、もちろん、飼育に水洗いはつきものであり至極まっとうな話ではあるのだが、水洗いできるジオラマって。それはもうジオラマとは言わない気もする。粘土も絵具もそのままでは水洗いなんかできるわけもない。
うむ。爬虫類もジオラマも好きな筆者だが、別々の趣味であり、合体させようと思ったことはなかったな。しかしここで断るつもりはないのだ。まずは手を動かしてみようじゃないか。

まずは材料の調達。ちょうどいい大きさのトレイというか何というか、キッチンの洗剤を並べるための受け皿みたいなやつ。これを台座にする。あとは松の葉を表現するためのビニール製のグリーンボールも購入。

松の木を表現するために近所の都営住宅の生垣から、杉の枯れ枝を調達。

トレイの余計な部分をハサミで切り、全体にサーフェイサーを塗装。下地塗りというか粘土や接着剤や塗料の食いつきをよくするため。

トレイを伏せて台座にしつつ、伏せた内側を洞窟にしてしまおうというわけだ。ジオラマ的には「洞窟」だが、飼育ゲージ的には「シェルター」と言うべきだろうな。蛇氏は狭いところ暗いところがお好きなはずだから、きっともぐって隠れてくれるに違いない。

杉の枯れ枝にアルミ線で枝を作る。いつもの手順ですな。

アルミ線に石粉粘土を盛って枝を造型。

アクリル絵の具で塗装。

元の枝の表面を生かしつつ、粘土にも同じように成形して馴染ませる。

ビニールの葉を接着するための受け枝を作る。粘土にキリで穴をあけてアルミ線を短く切ったものを突き刺しながら瞬間接着剤で強固に接着。

こんな感じ。

受け枝はアルミ線むき出しのままで塗装。

グリーンボールをバラバラに分解して、そのひとつずつを受け枝にはめ込むように接着。
二本目も同様の作業。

さて、次は台座。まずは内側というか、洞窟内部から。表面に接着剤を塗り伸ばし、木塑粘土を盛っていく。上から木工用ボンドを水で薄めて塗り、園芸用のバーミキュライトや砂利を撒き、乾いたらさらに上からボンド水溶液を塗って定着させる。

乾いたところで、あ、階段が必要じゃないかと思いつき、粘土ごとトレイに新たに切り込みを入れる。ボール紙を貼り付けて、石粉粘土で馴染ませる。

表、というかこっちが裏か? とにかく伏せた上から見るとこんな感じ。

全体像はこんな。

ここに石粉粘土を盛って、階段を作る。

そして階段を登りきると、鳥居があるのだ。
今回、鳥居については別の造型家が作ったものを買うことにした。大きさもちょうどよく、それほど高くもなかったので、購入。

階段はこんな感じ。

さて、参道脇の地面を作る。接着剤を塗った上から木塑粘土を盛って、石を配置。

各種園芸用砂利を接着剤を塗りながら、粘土が乾かないうちに埋め込んでいく。

鳥居をくぐった先の参道にも石粉粘土で石畳を作る。

全体像はこんな感じ。


階段の両脇には軽石をそれっぽく配置。
次は、側面に接着剤を塗って、木塑粘土を延長させる。

粘土が乾く前に、木工用ボンドをたっぷり塗ったバークチップを埋め込むように接着。乾いたら、アクリル絵の具で塗装。地面は木塑粘土の色、各種砂利も元の色を生かしつつ陰影をつける感じ。階段には黒と灰色でしっかり塗装。
さらに全体にボンド水溶液を塗り伸ばして、ジオラマ用パウダーを振りかけ、ボンド水溶液を重ね塗って定着させる。

こんな感じに仕上がりました。

階段もいい感じじゃないか。

さて松の木を植えるぞ。裏からネジ釘でがっちり固定。

これで簡単に折れたり抜けたりすることはあるまい。

ネジ頭は粘土を盛って隠す。

さてここでハンドメイドのアクセサリー作家御用達のUVレジンにご登場願おう。紫外線で硬化する樹脂である。これでジオラマ全体の表面を覆うようにして固めてやれば、水洗いでも何でもできるだろう、という発想である。

太陽光線(紫外線)で固まるので、作業は窓際で。晴れ間をねらっての作業となる。
あと、松の木の根っこの部分を馴染ませなくては。これこのように幹の割れ目も気になるところだしな。

石粉粘土で埋めて盛って馴染ませる。

塗装して、レジンで表面を固めれば、ほうら馴染んだだろう。


こっちもな。

はい。これで全工程終了。
仕上がりはこちらから。
メルカリにて受注製作受付中
爬虫類飼育と言えば、筆者も子供のころから途切れ途切れではあるが人生を通じてほぼずっと亀を飼っていて、一時期は巨大なケヅメリクガメやグリーンイグアナやウォータードラゴンにも手を広げたが、今はそれも落ち着いて、ヨツユビリクガメ四匹と、道で拾ったミドリガメ(アカミミガメ)一匹を飼育するだけという、いや、考えてみれば結構大所帯な気もするが、一時期の爬虫類屋敷状態を思えば、これは落ち着いた状態と言えるわけで、まあ、それはこの際どうでもいい。
しかし、そんな筆者も蛇は飼ったことがない。子供の頃に近所の草むらで捕まえたシマヘビを連れて帰ってしばらく愛でていたことがあるが、五十年近く昔のことであり、爬虫類ショップもネット通販もなく、エサの入手からして困難で、飼育とは言えないレベルで元の空き地にリリースしてしまった思い出があるだけだ。
発注者様が飼育しているのは蛇は蛇でも白蛇だそうな。おそらくはシマヘビかアオダイショウのアルビノということなのだろう。写真を拝見したがまだまだ可愛い子供という感じだ。白蛇だけに神々しく神社ジオラマで飾りたいとのことで、お気持ちはよくわかります。
鳥居と松は必須で洞穴はどうしようか迷い中とのこと。あと、何よりの難題は、掃除するので水洗いできるようにとのこと。えええ。マジすか。
いや、もちろん、飼育に水洗いはつきものであり至極まっとうな話ではあるのだが、水洗いできるジオラマって。それはもうジオラマとは言わない気もする。粘土も絵具もそのままでは水洗いなんかできるわけもない。
うむ。爬虫類もジオラマも好きな筆者だが、別々の趣味であり、合体させようと思ったことはなかったな。しかしここで断るつもりはないのだ。まずは手を動かしてみようじゃないか。

まずは材料の調達。ちょうどいい大きさのトレイというか何というか、キッチンの洗剤を並べるための受け皿みたいなやつ。これを台座にする。あとは松の葉を表現するためのビニール製のグリーンボールも購入。

松の木を表現するために近所の都営住宅の生垣から、杉の枯れ枝を調達。

トレイの余計な部分をハサミで切り、全体にサーフェイサーを塗装。下地塗りというか粘土や接着剤や塗料の食いつきをよくするため。

トレイを伏せて台座にしつつ、伏せた内側を洞窟にしてしまおうというわけだ。ジオラマ的には「洞窟」だが、飼育ゲージ的には「シェルター」と言うべきだろうな。蛇氏は狭いところ暗いところがお好きなはずだから、きっともぐって隠れてくれるに違いない。

杉の枯れ枝にアルミ線で枝を作る。いつもの手順ですな。

アルミ線に石粉粘土を盛って枝を造型。

アクリル絵の具で塗装。

元の枝の表面を生かしつつ、粘土にも同じように成形して馴染ませる。

ビニールの葉を接着するための受け枝を作る。粘土にキリで穴をあけてアルミ線を短く切ったものを突き刺しながら瞬間接着剤で強固に接着。

こんな感じ。

受け枝はアルミ線むき出しのままで塗装。

グリーンボールをバラバラに分解して、そのひとつずつを受け枝にはめ込むように接着。
二本目も同様の作業。

さて、次は台座。まずは内側というか、洞窟内部から。表面に接着剤を塗り伸ばし、木塑粘土を盛っていく。上から木工用ボンドを水で薄めて塗り、園芸用のバーミキュライトや砂利を撒き、乾いたらさらに上からボンド水溶液を塗って定着させる。

乾いたところで、あ、階段が必要じゃないかと思いつき、粘土ごとトレイに新たに切り込みを入れる。ボール紙を貼り付けて、石粉粘土で馴染ませる。

表、というかこっちが裏か? とにかく伏せた上から見るとこんな感じ。

全体像はこんな。

ここに石粉粘土を盛って、階段を作る。

そして階段を登りきると、鳥居があるのだ。
今回、鳥居については別の造型家が作ったものを買うことにした。大きさもちょうどよく、それほど高くもなかったので、購入。

階段はこんな感じ。

さて、参道脇の地面を作る。接着剤を塗った上から木塑粘土を盛って、石を配置。

各種園芸用砂利を接着剤を塗りながら、粘土が乾かないうちに埋め込んでいく。

鳥居をくぐった先の参道にも石粉粘土で石畳を作る。

全体像はこんな感じ。


階段の両脇には軽石をそれっぽく配置。
次は、側面に接着剤を塗って、木塑粘土を延長させる。

粘土が乾く前に、木工用ボンドをたっぷり塗ったバークチップを埋め込むように接着。乾いたら、アクリル絵の具で塗装。地面は木塑粘土の色、各種砂利も元の色を生かしつつ陰影をつける感じ。階段には黒と灰色でしっかり塗装。
さらに全体にボンド水溶液を塗り伸ばして、ジオラマ用パウダーを振りかけ、ボンド水溶液を重ね塗って定着させる。

こんな感じに仕上がりました。

階段もいい感じじゃないか。

さて松の木を植えるぞ。裏からネジ釘でがっちり固定。

これで簡単に折れたり抜けたりすることはあるまい。

ネジ頭は粘土を盛って隠す。

さてここでハンドメイドのアクセサリー作家御用達のUVレジンにご登場願おう。紫外線で硬化する樹脂である。これでジオラマ全体の表面を覆うようにして固めてやれば、水洗いでも何でもできるだろう、という発想である。

太陽光線(紫外線)で固まるので、作業は窓際で。晴れ間をねらっての作業となる。
あと、松の木の根っこの部分を馴染ませなくては。これこのように幹の割れ目も気になるところだしな。

石粉粘土で埋めて盛って馴染ませる。

塗装して、レジンで表面を固めれば、ほうら馴染んだだろう。


こっちもな。

はい。これで全工程終了。
仕上がりはこちらから。
メルカリにて受注製作受付中

コメント
コメント一覧 (4)
おかげさまで、このような形で新居が整いました。洞窟に入るのはまだ初日で抵抗があるようですが、すぐ入るでしょう。
思いの外、成長が早く注文時から10cmほど大きくなりました。参道・神社周りを散歩してもらおうと思います。
https://photos.app.goo.gl/62dDFVXpAWdt6PDh7
ネンドソー
が
しました
無茶どころか、新境地への挑戦は大変に楽しい作業でした。いずれこのパターンも商品化できるんじゃないかとたくらんでおります(笑
それよりも、気に入って頂けて何よりです。白蛇様にも馴染んでいただけますよう祈っております。
あと、白蛇様のお写真ですが、こちらブログの記事にアップさせていただいてもよろしいでしょうか?
ネンドソー
が
しました
色々なアングルで写真撮って楽しんでます
ネンドソー
が
しました
ネンドソー
が
しました