②頭部の造型 の続き。

アロサウルス続き10

頚部から背中に植えるための棘を先に作る。

アロサウルス続き11

まずは喉を造型。爬虫類の喉は獲物を丸呑みするために袋状になっていることも多く、復元図でもそのように描かれることが多い。今回もそれに準ずる。
腹部との接合を不自然なくするように。

アロサウルス続き12

腹部については、発注者様よりウロコ表現を避けてシワ状にしてほしいとの要望を受けて、そのようにしてみる。横ジワを深めに刻み、雰囲気を出してみる。
うむ。これでよかろう。

アロサウルス続き13

さて頚部。アロサウルスは、ティラノサウルスと比べて顎の力が弱かったとされる。現生の肉食哺乳類より劣るという見解もあったりする。その代わりというわけでもなかろうが、頚部の筋肉が強大だったらしい。つまり、ティラノサウルスが嚙み砕く捕食方法なら、アロサウルスは上顎を斧のように獲物に叩きつける戦法だったようだ。へええ。

アロサウルス続き14

そんなわけで肉のコブを特盛にして、さらに棘を植えて禍々しさを強調してみる。

アロサウルス続き15

そのままの延長で脊髄に沿って棘を生やす。これは現生の多くの爬虫類、特にイグアナに顕著な特徴でもある。脊髄と背骨を守るための防御を兼ねた装飾なのだろう。

アロサウルス続き16

尻尾の先まで植える。

アロサウルス続き17

横から見るとこんな感じ。

アロサウルス続き18

さらに背中のコブ&棘エリアを左右に拡張。

アロサウルス続き21

全体像。

アロサウルス続き20

横から。

アロサウルス続き19

反対から。

と、ここで発注者様より新たにメッセージをいただく。
「剣竜反撃」 におけるアロサウルスの鎧状ウロコを気に入ってくださっているとのこと。
ああ、しまった。そういうことならそちらにすればよかった。
だが、まだ脇腹と両脚の表面造型が残っている。ここに印象的かつ効果的に鎧状ウロコを配することはできそうだ。

というわけで、
④脇腹から脚にかけての鎧状ウロコ  に続く。