そのようなわけでメルカリ受注したボガール(ふうオリジナル怪獣)を作っているのだが、またしてもと言うか何と言うか、自分で予告した締め切りを軽やかにスッ飛ばしている。いかんいかん。鋭意製作中ですので発注者様に置かれましては何卒ご容赦を。
 さて、この超捕食体などと別名される怪獣は「ウルトラマンメビウス」(2006~07年)に登場した怪獣であり、平成ウルトラマンからこっち一緒に観てくれた息子もいい加減に成長して観てくれなくなり、いきおい筆者自身も遠ざかってしまい、実はリアルタイムでは観ていない。まあ、サブスク時代になってから改めてまとめて観たわけだが、何とまあ我々世代が愛してやまないグドンとツインテールを次々と食ってしまうのだから驚いた。ツインテールがエビの味がしておいしいというのは我らの世代にとってはすでに常識とも言うべき裏設定だが、まさか捕食者設定のグドンまで食べてしまうとは。
 CG時代にあって、鮮やかに軽やかにばっくりと一口で食べてしまう映像表現はダイナミックでもあり悪くはないのだが、何と言うか現実感に欠けるきらいがある。いやまあ、子供向け番組でグロテスクな表現をするわけにもいかないだろうし、こうなるんだろうなとは思いますが。
 とにかく、この人は口が命である。おそらくはブラックホールかドラえもんのポケットのように異次元に通じる口なのだろうと推察するが、これをネンドソー的に造型するとなるとどうなるか、いろいろと考えを巡らせながら、とにかく大口の芯を作る。

ネンドソー「超捕食怪獣」1

 お椀のようですな。針金で手足をつける。まこと虫みたいだ。あ、まこと虫と言っても知らない世代にはかびるんるんと言えばいいのかな。

ネンドソー「超捕食怪獣」2

 針金に麻紐を巻いて粘土の食いつきを確保。

ネンドソー「超捕食怪獣」3

 粘土を盛って、手足の指に針金を延長する。

ネンドソー「超捕食怪獣」4

 口を取り巻く大きめの牙と、

ネンドソー「超捕食怪獣」5

 口の中に生える小さめの歯。とにかくたくさん作る。

ネンドソー「超捕食怪獣」6

 ボガールデザインの決定打は背中に背負った触手。これが肥大して正面から捕食対象を抱え込むわけだが、そもそもこのヒダは毒蛇のコブラの首をイメージしていると思われる。コブラの中でも一番有名なキングコブラというやつがいるが、インドからインドネシアあたりに生息する5メートルにもなるという世界最大の毒蛇であり、何と恐ろしいことに主食は蛇である。蛇が蛇を食うということで「キング」を冠しているらしい。まさに怪獣を食う怪獣をデザインする際にあやかりたくもなるだろう。
 造型的にもこれは外せないが、単に背負っているだけでは触手に見えない。ので盛大に大きく作って広げる。ヒダを膜状に延長してみることにする。

ネンドソー「超捕食怪獣」9

 麻紐を巻いて、先端に鉤爪を作る。

ネンドソー「超捕食怪獣」10

 そして、膜を張る。

ネンドソー「超捕食怪獣」8

 とりあえずこの段階で腹の中の歯を植えて、軽く彩色もしておく。異次元につながる喉の奥は黒めに塗っておく。

ネンドソー「超捕食怪獣」11

 足は鳥足ふうに鱗の重ね貼り。

ネンドソー「超捕食怪獣」12

 原典通りに指は六本にしました。

ネンドソー「超捕食怪獣」14

 手指も同様に。肩口は鎧のように硬質の鱗を重ねる。

ネンドソー「超捕食怪獣」15

 脇腹の表面造型。

ネンドソー「超捕食怪獣」16

 触手を装着する場所を開けて、表面造型にいそしむ。

ネンドソー「超捕食怪獣」17

 おっと顔を忘れてはいけません。原典に準じて赤目。カラービーズを接着。

ネンドソー「超捕食怪獣」18

 喉元。しかしこの人の顔に口はない。

ネンドソー「超捕食怪獣」19

 ツノを造型。

ネンドソー「超捕食怪獣」20

 裏側。胴体に合体させる。

ネンドソー「超捕食怪獣」21

 はい。こうなりました。

ネンドソー「超捕食怪獣」22

 背中。接続部分にも表面造型を。

ネンドソー「超捕食怪獣」23

 とりあえず背筋は通りました。

ネンドソー「超捕食怪獣」24

 いよいよ触手を装着するのだが、かさばって大変なことになりそうだから、先に彩色したほうがよさそうだ。そんなわけでここで乾燥待ち。

 ②本体の彩色と台座
につづく。